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ソニー最後の異端 近藤哲二郎とA3研究所

不遇の天才かつ変人研究者、近藤哲二郎。
彼は、なぜ、標準放送で送られてきた映像を、ハイビジョンクラスの高品位映像に置き換える新技術を開発できたのか? ーー話しても分からない人間には何も話さない、相手がたとえ役員であっても。
ソニー随一の特許数を持ちながら、その性格ゆえ、開発した技術は1件も商品化されない、という不遇にあった近藤哲二郎が、一転して、「WEGA(ベガ)」「BRAVIA(ブラビア)」を成功に導く、デジタル高画質技術「DRC」を誕生させるまで。
傑作ノンフィクション。
ーー取り寄せた特許のリストを1頁目から丹念に目を通していくうちに、出井(いでい)はひとりの研究者の名前に目を止めた。
彼の保有する出願及び登録特許数が400件近くもあり、他を圧倒する数だったからである。
(中略)そのうえさらに出井が驚かされたのは、そのうち商品化されたものが1件もなかったことである。
「これは、いったい全体、どういうことなのか……」――本文より




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