冷酷な報酬
名神高速道路の闇の中に死んだ雨宮義人。
彼の自動車は、〈梶原トンネル〉の壁面に激突しての即死だった。
太陽産業の気鋭の研究者として、カラーテレビ開発の第一線に立っていた雨宮の死には、不可解な謎が感じられた。
社名をうけて、この事故死に取組んだ野田誠司が、苦心の末に探りあてた死の真相は、激甚な産業の恥部を覗きみるような策謀と非情の世界だった。
研究グループごと、ごっそりと競争会社のスカウトの手がのびていたのである。
拒否した雨宮を襲った非業の死。
――梶山文学の独壇場ともいうべき産業スパイ小説「冷酷な報酬」他5篇を収録。
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