奇妙な文様が刻まれている魔偶――土偶の骨董――は、所有する者に福と禍をもたらすという……。<br />大学を卒業して三年目の春を迎えた刀城言耶は、その話を聞いて旧家の屋敷を訪れた。<br />そこには魔偶に興味を持った者たちがすでに集っていた。<br />表題作の他、『妖服の如き切るもの』『巫死の如き甦るもの』『獣家の如き吸うもの』、さらに、これまで文庫化されていなかった『椅人の如き座るもの』を収録した中短篇集。<br />