日本橋三越の柱に、幼いころ実家に貼ったシールがあるのを見つけたところから物語は始まる。<br />狂気と現実世界が互いに浸食し合い、新人らしからぬ圧倒的筆致とスピード感で我々を思わぬところへ運んでいく。<br />誌上発表後、新聞各紙絶賛、話題沸騰の受賞作を緊急刊行!第65回群像新人文学賞受賞作(選評より)語り手、そして読む人の立つ足下が揺るがされる――柴崎友香絶望的成長小説である――町田康最も文章の水準、小説技術の水準の高い作品だった――松浦理英子