大江戸閻魔帳
元浜町の閻魔長屋に住み、戯作者閻魔堂赤鬼の顔も持つ、南町奉行所も頼りにする青山麟太郎のもとには、今日も事件が舞い込んでくる。
麟太郎が苦手とする男女の愛憎を色気たっぷりに描き、女戯作者菊亭桃春が今凄い人気だと聞かされたばかりの麟太郎は、地本問屋「蔦屋」の二代目お蔦から、向島に住む旗本の主人を亡くした菊川春乃の用心棒を頼まれる。
春乃のことを探らせていた地廻りの吉兵衛の店でひと暴れした麟太郎は、町医者の中原道伯の名を吐かせる。
だが春乃に道伯の名を伝えると、なぜか春乃は急に用心棒を断ってきた。
道伯は金持ち相手が専らで、評判はよくない医者だ。
若い御家人白坂恭之介の組屋敷に、春乃と道伯が相次いで訪れ、料理屋で二人は落ち合っていた。
春乃と白坂、道伯のつながりに困惑する麟太郎だが…。
このほか、かかわる男たちが次々に死んでいくため、「九尾の狐」と噂される神楽坂の粋な形の女雪乃が、麟太郎のもとに上がり込んできた…など四編の事件帳。
書下ろし人気シリーズ。
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