美しい母親と姉のもとで育ち、容姿コンプレックスを抱えて美容整形を繰り返す27歳の絵里。<br />大きな二重、高い鼻、脱色した髪と青いカラーコンタクトで、外国人のふりをして田舎の温泉宿に泊まるのが趣味の彼女は、ある日、向かった旅館で、「影」と呼ばれる嫌味ったらしい中年男性客と出会い――。<br />不思議なエネルギーに満ちた第39回すばる文学賞受賞作。<br />