医学部入学を目指し大学浪人中のアキラは、いとこの善男が営む老人グループホーム「八方園」に下宿することになる。<br />三十半ばでバツイチ、元役者、めっぽう口が悪くて老人たちを婆ぁ呼ばわりする善男だが、なぜかホームに暮らすみんなからの信頼は厚い。<br />赤の他人ながら共同生活を送るうち、彼らは互いにかけがえのない存在になっていく。<br />著者の代表作『おれのおばさん』に繋がる連作短編小説。<br />