ジャズ全盛の1970年代。<br />サックスプレイヤー通称「イモナベ」は、『孵化』というライブを全裸で演奏して以降、精神に変調をきたしたとの噂と共にジャズシーンから姿を消した。<br />ところが1990年、小説家になりたての私は『変態』と題されたライブチラシを見つける。<br />イモナベの行方を尋ねた「私」が見たのは絶対にありえない戦慄の風景だった。<br />カフカ『変身』とジャズを見事に融合させた傑作連作短編。<br />