美人で金持ちで傲慢で、あの女は昔からいやな女だった。<br />その女の美しい夫を寝取った‘私’は…(「いやな女」)。<br />年に一度の逢瀬には、必ず新調した着物を着る‘私’。<br />その日だけは、特別の存在になるのだから(「雪おんな」)。<br />月が満ちては欠けるように、女もまた変化する。<br />おもての顔の裏に別の顔を隠しもって。<br />金沢を舞台に、せつないほどに‘女’に満ちた10人10話。<br />