模範郷
「ぼく」はここ何年も中国大陸の内陸部へ通っていた。
それは、「あの時代の台湾はもう台湾にはない」と知人に言われ、幼少期に住んでいた台湾の、模範郷と呼ばれた故郷の面影を中国内陸部に見つけるためだった。
そんなとき、「ぼく」は、台湾の大学で教鞭を執る日本人研究者から、「あなたが子どものころに住んでいた家を探してみないか」という手紙を受け取り、ついに約半世紀ぶりに故郷を訪ねることを決意した。
濃密な文体と混淆する記憶が紡ぐ、<時>の旅人の物語。
故郷である台湾への思い、両親の記憶、ライフワークである中国への旅、そして作家自身の出自など、リービ英雄が一貫して追求してきたテーマが、濃密な文章で一冊に凝縮された最新作。
【目次】模範郷/宣教師学校五十年史/ゴーイング・ネイティブ/未舗装のまま
更新中です。しばらくお待ちください。