65歳の玉子は、亡き息子の嫁、里子と孫の春子との三人暮らし。<br />お互いをいたわりあっての平穏な日々。<br />そこに嫁にいった38歳の娘、葉絵がしょっちゅう帰ってきては、子供のころに心理的虐待を受けた、と身に覚えのない難癖をつけてからむ。<br />実の娘よりも他人である嫁のほうがわかりあえるのか、いや、いざとなればやはり実の娘がたよりになるのか、玉子の心は複雑に揺れ動く。<br />傑作連作短篇集。<br />