「水谷八重子は、それまで我が国になかった『女優』という新しい職業の確立をめざした、時代の先駆けの一人です」……神田川が隅田川に流れ込む手前の柳橋。<br />古橋医院に集う人びとは皆、舞台の名台詞をもじって話すほどの新派好き。<br />戦前・戦中・戦後。<br />八重子を、そして日本語を愛してやまない庶民の口を借りて、名女優の一生が浮かび上がる……。<br />ひさし版‘昭和と女優’。<br />