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青藍の峠 幕末疾走録

弥吉は走る。
正義とは何か、迷いながら――。
時は文久元年。
農家の次男坊・弥吉は、地元の河内村を出て、初めて大坂へ向かう。
目的は、蘭学者の緒方洪庵が運営する「適塾」に入門し、塾生のふりをして勉強しながら、洪庵の思想を見極めてゆくゆく「暗殺」すること――。
尊皇攘夷運動の一端を担っていた弥吉には、重大な使命があった。
しかし塾生として入門するはずが、手違いから下男として働くことになり、洪庵の人柄に触れるうちに少しずつ考えが変わっていく。
一方、田舎の村では、攘夷の急進派である「天誅組」に加わる村人たちの策謀がはじまっていた。
弥吉は村人たちの挙兵を止めようと奔走するが――。
混乱の時代に、「正義」のありようを模索する若者の姿を描く、成長物語。




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