怪談のテープ起こし
恐怖は全て、日常にひそむ。
「自殺する間際に、家族や友人や世間に向けて、カセットテープにメッセージを吹き込む人が、たまにいる。
それを集めて原稿に起こせればと、俺は考えている」。
作家になる前の編集者時代、三津田信三は、ライターの吉柳から面白い企画を提案された。
ところが突然、吉柳は失踪し、三津田のもとに三人分のテープ起こし原稿が届く。
死ぬ間際の人間の声が聞こえる――<死人のテープ起こし>。
自殺する者は何を語るのか。
老人の、夢とも現実ともつかぬ不気味な昔話の真相は。
怪女「黄雨女(きうめ)」とは一体――。
戦慄のテープ起こしがいま、始まる。
怪談六篇と、ある編集者の顛末。
【目次】序章/死人のテープ起こし/留守番の夜/幕間(一)/集まった四人/屍と寝るな/幕間(二)/黄雨女(きうめ)/すれちがうもの/終章
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