【第16回柴田錬三郎賞受賞作】男はもうこりごりと思った私は、ついに念願の猫を飼うことにした。<br />が、二匹のうちの一匹がどうしてもなつかない。<br />表題作「秋の猫」。<br />夫婦で犬を飼い始めたとたん、仕事は順調、夫は女をつくった。<br />いざ離婚というときに、夫も私も犬の親権を主張して譲らない。<br />「幸運の犬」ほか、犬や猫との交流をとおして、心を癒され、孤独の寂しさを埋めてゆく男女を描く、心温まる短編集。<br />