【第9回柴田錬三郎賞受賞作】莫大な借金を背負って新しい「花ずみ」を始めた通子。<br />夫を奪いにきた女・多衣と商売の面ではパートナーとなり、複雑な心境のまま世間の荒波に飛びこんでゆく。<br />従業員の裏切り、痴話喧嘩の果ての殺人未遂と、数々の災難におそわれながら、通子は自らの奥に秘めていた花を咲かせてゆくが、突然の政治スキャンダルに飲みこまれ……。<br />女の表も裏も書き尽くした傑作、怒涛のクライマックス。<br />