「夫としてはたぶんもう好きじゃないんだよね」。<br />三十六歳で結婚をしてから十年を迎える年の正月、お雑煮を食べながら森子は祐一に告げた。<br />別に嫌いになったわけじゃない。<br />親友としてなら、好き。<br />けれどももう一緒にはいたくない。<br />戸惑う夫を尻目に森子は一人暮らしの準備をし、離婚の手続きを進めようとする――。<br />恋とは結婚とは、一体何なのか。<br />女性の心に潜む本音が共感を呼ぶ長編小説。<br />