生類憐れみの令で知られる江戸幕府の五代将軍・徳川綱吉は、旧来の慣習を改め、文治政治を強力に推し進めて日本の礎を築いた。<br />だが、その評価は大きく分かれている。<br />加えてその治世には、赤穂浪士討ち入りや富士山噴火など、数々の難事が生じた。<br />綱吉は暗君か、それとも名君だったのか。<br />今も世間に誤解される将軍の、孤高かつ劇的な生涯を、綱吉とその妻・信子の視点で直木賞作家が描ききった傑作歴史長編。<br />