光源氏の死から10年の歳月が流れた。<br />源氏の子ではあるが出生の秘密に悩む、厭世的でストイックな薫君。<br />源氏の孫にあたる好色で闊達な匂宮。<br />川霧のたちこめる宇治に隠れ棲む、源氏の異母弟、八の宮と娘たち、大君と中の君。<br />そして異母妹、浮舟。<br />二人の青年の愛の波間にたゆたう姫君たちの哀しい恋のゆくえは―。<br />光源氏をめぐるヒロインたちの華麗で多彩な愛のかたちを描ききる、瀬戸内源氏の完結。<br />