夜八郎を心から慕っていた梨花が死んだ。<br />これでもう、不毛な地伊吹野に留まる理由はない。<br />だが、農民の窮状に手を差し伸べる天満坊の熱意にほだされ、夜八郎の心は動く。<br />これまで世に益することなく、害毒を流すだけだった余計者九人が立ち上がった。<br />竜神湖の水をふもとに落とし、灌漑溝を満たせば民は救われる。<br />九人の戦士は勇躍、攻略不可能とされる地へと向かった。<br />