星に願いを、そして手を。
【第29回小説すばる新人賞受賞作】「小説すばる新人賞」史上最年少受賞! 大人になった僕たちの、‘夢’との向き合い方。
16歳の現役高校生が描く、ストレートな青春群像劇。
中学三年生の夏休み。
宿題が終わっていない祐人は、幼馴染の薫、理奈、春樹とともに、町の科学館のプラネタリウムに併設された図書室で、毎年恒例の勉強会をおこなっていた。
そんな彼らを館長はにこやかに迎え入れ、星の話、宇宙の話を楽しそうに語ってくれた。
小学校からずっと一緒の彼らを繋いでいたのは、宇宙への強い好奇心だった。
宇宙の話をするときはいつでも夢にあふれ、四人でいれば最強だと信じて疑わなかった。
時が経ち、大人になるまでは――。
祐人は昔思い描いていた夢を諦め、東京の大学を卒業後、故郷に帰り、公務員となった。
そんな祐人を許せない理奈は、夢にしがみつくように大学院に進み、迷いながらも宇宙の研究を続けている。
薫は科学館に勤め、春樹は実家の電気店を継いだ。
それぞれ別の道を歩いていた彼らが、館長の死をきっかけに再び集まることになる――。
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