家具職人の壱晴は毎年十二月の数日間、声が出なくなる。<br />過去のトラウマによるものだが、原因は隠して生きてきた。<br />制作会社勤務の桜子は困窮する実家を経済的に支えていて、恋と縁遠い。<br />欠けた心を抱えたふたりの出会いの行方とは。<br />変化し続ける人生のなかで、他者と共に生きることの温かみに触れる長編小説。<br />