かの光源氏のように、秋葉は若い霧子を理想の女性として育てることに没頭していた。<br />二人でスペイン、フランスと旅をして愛を育むが、次第にすれ違い始める。<br />霧子にアンティークの店を出してあげたのがきっかけだった。<br />彼女は、愛という移ろいやすいものよりも、自立した女のあり方を求めるようになっていた。<br />永遠につづくかと思われた二人の愛はどうなってしまうのか。<br />渡辺文学の頂点をなす物語。<br />