死者と感応するちからをもった少女・律子。<br />小学六年生のときに大好きな叔父が自死した。<br />中学時代、不良少年に寄せた淡い思い。<br />高校時代、妹の家庭教師に抱いた熱い恋心。<br />大学時代、恋人の兄に心を奪われたときのこと――。<br />様々な理由であの世に旅立ってしまった者たち。<br />少女から大人になる途上で律子が味わう、イノセントで美しい、しかし哀切のこもった記憶の数々を描いた傑作連作集。<br />