「水草さま」と呼ばれ、周囲から親しまれている小石川御薬園同心の水上草介。<br />豊かな草花の知識を活かし、患者たちの心身の悩みを解決してきたが、とんでもなくのんびり屋。<br />そんな草介が密かに想いを寄せてきた、御薬園を預かる芥川家のお転婆娘・千歳に縁談が持ち上がる。<br />初めて自分の心に気付いた草介はある行動に出るが――。<br />大人の男として草介が一歩成長をとげる優しく温かな連作時代小説。<br />