晩秋の夜、高速バスが炎上。<br />この事故で夫を失った園田萌と、娘を亡くした作家・石渡遊作が出会ったのは、二か月後の遺族会がはじめてだった。<br />喪失の同じ痛みが、ふたりを分かちがたく結びつけてゆく。<br />だが孤独と絶望の淵からはじまった愛は、スキャンダラスに取りざたされることに。<br />互いに溺れ、社会に背をむけたふたりに残されているのは、この恋に殉じること。<br />究極の道行を描く渾身の恋愛長編。<br />