結婚10年目、小夜子は初めて恋を知った。<br />それから15年。<br />夫の友人との秘密の恋が、結ばれることもないまま終ろうとしている。<br />行き着く果ての見えない愛を描く「たんぽぽ」。<br />真夜中に父と睦み合う叔母の姿を目撃して30年。<br />秘めたる思いを胸に抱いたまま、今、その叔母の命が尽きようとしている。<br />表題作「夜の寝覚め」。<br />人生の残り時間を数えはじめる季節を迎えた6人の女たち。<br />寄る辺なき恋の短編集。<br />