一枚のモノクローム写真に秘められた懐かしくいとおしい日々の記憶。<br />人生の晩年を迎えようとしている女性随筆家は、愛した男への思いを胸に生きてきた。<br />だが、小さな出来事が平穏な生活にさざ波をたてる……。<br />表題作「夢のかたみ」ほか、再会の一夜のドラマを綴る「チルチルの丘」など、遠い日のエロスを溢れるノスタルジーで描く。<br />失われた時間への哀惜と感傷に満ちた5編。<br />