明治初期、首里士族である喜屋武家の三男として生まれた朝徳。<br />体の小さな彼は、従兄の本部朝基と相撲をしても負けてばかりだったが、父の教える手に惹かれて鍛錬を重ねる。<br />激変する時代のなか、東京での勉学生活の後に沖縄へ戻った朝徳は更に手の修業を積み、やがてその伝道に力を注いでゆく――。<br />平和は武によって保たれる。<br />琉球が生んだ伝説の唐手家の生き様を描き出す武道小説。<br />