戦争直後の東京、焼けくずれた工場の跡地である。<br />隠匿物資を盗み出し、闇市で売りさばくことを覚えた良文とその仲間にとって、最大の敵は浮浪児狩りと暴力団だった。<br />幼い良文は野獣のように生き抜いてゆく――。<br />「老いぼれ犬」こと高樹の、壮絶な少年時代から修羅の青春。<br />そして後戻りのできない人生の旅に、終着駅が見えてくる。<br />「老犬」シリーズ三部作。<br />