日本でキリスト教徒の迫害が進む17世紀。<br />アイヌと和人の子チカップは、兄と慕うジュリアンと共に、命懸けの航海の末マカウの地に辿り着く。<br />母に聴かされたアイヌの歌を拠り所に生きるチカップは、キリスト教の信仰に惹かれつつも、故郷のえぞ地への思いを持ち続けていた。<br />マカウも安住の地とはなり得ず、少女は再び航海に身をゆだねる。<br />物語や言葉が多重な層を織りなす、著者最後の長編小説。<br />
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