後宮の奥深く、妃でありながら夜伽をすることのない、「烏妃」と呼ばれる特別な妃が住んでいる。<br />その姿を見た者は、老婆であると言う者もいれば、少女だったと言う者もいた。<br />彼女は不思議な術を使い、呪殺から失せ物さがしまで、何でも引き受けてくれるという――。<br />時の皇帝・高峻は、ある依頼のために烏妃のもとを訪れる。<br />この巡り合わせが、歴史を覆す「禁忌」になると知らずに。<br /> 【目次】翡翠の耳飾り/花笛/雲雀公主/玻璃に祈る