天保八年。<br />北辰一刀流玄武館で師範代を務める平手造酒は、師・千葉周作の命により、廻国修業に出た。<br />油断により友を死なせ、道場を破門された。<br />つまずき始めた造酒は、他流試合で破った水戸藩士の恨みを買い、祝言を挙げた藤が殺される。<br />その後に妻としたおいとにも死なれ、自暴自棄になって酒におぼれていった。<br />『天保水滸伝』で有名な伝説の剣豪、不運に見舞われ続けた、その知られざる半生。<br />