首がない。<br />それは西郷隆盛の遺骸だった――。<br />維新の大業を成し遂げた西郷は鹿児島に帰郷していたが、社会の混乱が収まらず、弟・従道の説得により新政府に加わる。<br />精力的に改革を進める西郷だったが、朝鮮との外交問題を巡って大久保らと対立。<br />そして、明治十年の西南戦争に突入する。<br />彼は自らの死と引き換えに何を得ようとしたのか。<br />隆盛の後半生に焦点を絞り、西南戦争の全貌を活写する長編。<br />