【第79回直木賞受賞作】紀伊半島は南東部、太地湾辺りは古くから鯨取りで栄えた土地柄である。<br />明治11年12月24日、熊野灘の沖に現われた一頭の巨大鯨。<br />小舟に乗った数百人の男たちが立ち向かう。<br />これが大遭難、世にいう‘背美流れ’の発端となり、慶長年間からの伝統的な捕鯨組織が崩壊しはじめる。<br />明治の激流に呑まれ、滅びゆく運命をたどる海人たち。<br />愛と闘いをドラマチックに描いた感動の長編。<br />