江戸の文化が花開く下町の老舗料理屋「宮戸屋」の跡取り息子は、なんとも妙な若者だ。<br />鎖双棍とかいう武器をしのばせ、いざとなれば浪人とも渡り合う。<br />将棋を指せば腕自慢のご隠居もひとひねり。<br />動物と話しているのを見た、なんて噂も。<br />そんな信吾が、店を弟に継がせて、自分は「よろず相談屋」を開くなんて言い出した…。<br />不思議な魅力をもつ青年と、そこから広がる人の輪を描いた軽妙な時代小説。<br />