河鍋暁斎の弟子である絵師、誠之進は磐城平藩の隠密という裏の顔を持つ。<br />兄弟子・鮫次の弟が怪しい行動を共にする連中がいるらしい。<br />その一人はアメリカ公使館員ヒュースケンを刺殺した薩摩藩士、伊牟田尚平だった。<br />鮫次は弟の身を案じ、誠之進は伊牟田らの動向を探るべく、鮫次の故郷、九十九里へと向かう。<br />絵師の鋭い眼が、知られざる幕末の真実を抉り出す問題作、物語が大きく転回する第三巻。<br />