始業式の騒動以来、高苗龍二は<キレた優等生>として周囲から疎んじられていた。<br />敷かれたレールからはみ出ようと学校にも親にも反抗的な行動に走るようになった龍二を拾ったのは、<獄狼(ヘルハウンド)>二代目会長・高島和泉だった。<br />走ることの楽しさを、スピードに潜む熱いものを龍二は知る。<br />そしてもうひとつ龍二の心を捕えたのは、クラスメイトである一色栄の重く、濬く、冷たいまなざしだった――。<br />※あとがきは収録されていません。<br />