彼には同棲している男がいる。<br />私は彼が来てくれた時に迎え入れればいいだけで、彼を望む権利などない―(『星へ落ちる』)。<br />彼の彼氏に嫉妬する『私』、彼に女の影を感じて怯える『僕』、出て行った彼女を待ち続ける『俺』。<br />相手を愛おしいと思えば思うほど、不安で押し潰されそうになってやり場のない感情に苦しんでしまう男と女と男を、それぞの視点から描き出した切ない恋愛連作短編集。<br />