僕はどこだか分からないここにいる―修人。<br />全ての欲望から解放された、いや、見放された―千鶴。<br />人生とは結局、自分自身では左右しようのないもの―エリナ。<br />きっと、私がここから別の道を歩む事はないだろう―朱里。<br />他者と自分、世界と自分。<br />絡まり合う、四者の思い。<br />思いがけない事故や事件。<br />その一瞬で、ねじ曲がる。<br />平穏な日常が、約束された未来が。<br />混沌、葛藤、虚無、絶望。<br />――現代社会の風潮を照射した傑作小説。<br />