22歳の女性作家・リンが新たに執筆を依頼されたのは自伝的創作=オートフィクションだった―。<br />なにものによっても埋めることのできない、深い孤独を抱えた彼女が語り始めた「オートフィクション」は抹殺したはずの過去を描き出す。<br />切り取られたいくつかの季節と記憶。<br />通り過ぎる男たち。<br />虚実が錯綜し破綻した世界の中で、彼女が見いだしたものとは。<br />著者渾身の傑作長編。<br />