主の腕に惚れて、有名俳優や政財界の大物が通いつめたという伝説の理髪店。<br />僕はある想いを胸に、予約をいれて海辺の店を訪れるが…「海の見える理髪店」。<br />独自の美意識を押し付ける画家の母から逃れて十六年。<br />弟に促され実家に戻った私が見た母は…「いつか来た道」。<br />人生に訪れる喪失と向き合い、希望を見出す人々を描く全6編。<br />父と息子、母と娘など、儚く愛おしい家族の小説集。<br />第155回直木賞受賞作。<br />