カム・ギャザー・ラウンド・ピープル
【第161回芥川賞候補作】おばあちゃんは背中が一番美しかったこと、下校中知らないおじさんにお腹をなめられたこと、自分の言いたいことを看板に書いたりする「やりかた」があると知ったこと、高校時代、話のつまらない「ニシダ」という友だちがいたこと……。
大人になった「私」は雨宿りのために立ち寄ったお店で「イズミ」と出会う。
イズミは東京の記録を撮りため、SNSにアップしている。
映像の中、デモの先頭に立っているのは、ワンピース姿の美しい男性、成長したニシダだった。
イズミにつれられてやってきたデモの群衆の中、ニシダはステージの上から私を見つけ、私は逃げ出した。
敷き詰められた過去の記憶とともに、私は渋谷の街を思い切り走る、ニシダにつかまらないように。
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