至誠の残滓
上野戦争で散ったはずの男、元新撰組十番組組長・原田左之助は生きていた。
「今の俺たちに誠はあるのか」明治の世にひそむ新撰組の残党を描いた、渾身の時代小説! 明治十一年。
東京の片隅にある古物屋、‘詮偽堂’の主人・松山勝。
彼の正体は、幕末、彰義隊とともに上野で戦死したはずの元新撰組十番組組長・原田左之助だった。
松山のもとに集まるのは、幕末の動乱をともに潜りぬけた猛者たち。
新聞錦絵の記者で高波梓と名乗る男は、諸士調役兼監察を務めた山崎烝。
そして過去に三番組の組長でありながら、いまでは新政府の犬と揶揄される警官・藤田五郎。
またの名を斎藤一。
斎藤からの情報で、原田と山崎は人買いを生業にしている元長州藩の士族や、窃盗団と対峙する。
三人はやがて、新政府を操る、ある人物に行きつく。
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