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猫君

茶虎で金目銀目の猫、みかんは江戸・吉原で髪結いをするお香のもとで可愛がられて育ち、まもなく二十年が経とうとしていた。
病の床についたお香は、尻尾が二叉に分かれ、言葉を操り始めたみかんが、やがて人に化ける猫の妖怪「猫又」になる特別な存在だと告げて、この世を去る。
飼い主を取り殺したと疑われ、追われるみかんを助けたのは、先輩猫又の加久楽(かぐら)だった。
妓楼の一室に匿われたみかんは、同じ新米猫又の白花(しろか)らと出会い、猫又のあれこれを教えられる。
花のお江戸に隠された六つの陣地に分かれて、陣取り合戦を繰り広げていること。
代々の徳川将軍のはからいで、江戸城の中には新米たちが修業する学び舎「猫宿」があること。
猫又史にその名を刻む英雄「猫君」の再来が噂されていること……。
加久楽に連れられ猫宿へやってきたみかんは、「猫宿の長」と呼ばれる謎の人物をはじめ、様々な師匠のもと、仲間とともに数々の試練に挑んでいく――。
『しゃばけ』の著者が贈る、お江戸ファンタジー開幕!




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