時は平安。<br />人々は百鬼夜行、魑魅魍魎におののいていた。<br />その王都の一角に、式神に囲まれ、いささか呑気に暮らす――安倍保名・晴明父子がいた。<br />ある日、晴明は師・賀茂保憲とともに、時の権力者・藤原忠平のもとに参内した。<br />忠平は晴明たちに「傀儡子を見張れ」と依頼する。<br />表向きは風紀上の問題としながらも、その裏には京を護るべき陰陽師の威信に関わる難題が潜んでいた。<br />