できない男
地方の広告制作会社で働くデザイナー、芳野荘介28歳。
年齢=恋人いない歴で、仕事も中途半端な自分に行き詰まっている「できない男」。
ある時、地元の夜越町と大手食品会社ローゼンブルクフードが農業テーマパーク「アグリフォレストよごえ」プロジェクトを立ち上げる。
荘介の憧れの超一流クリエイター、南波仁志率いるOFFICE NUMBERが取り仕切る「アグリフォレストよごえ」のブランディングチームに、地元デザイナー枠として、突然放り込まれることに。
南波の右腕としてブランディング事業の現場担当を務めるアートディレクター河合裕紀、33歳。
彼女に二股をかけられていた者同士で意気投合した、イタリアンレストランオーナー賀川と遊ぶのが唯一の息抜きになっている。
仕事は超有能で、様々な女性と‘親善試合’を繰り返しているけれど、河合もまた、独立や結婚など、その先の人生へと踏み出す覚悟が「できない男」だった。
山と田圃しかない夜越町で出会った、対照的な二人の「できない男」。
それぞれが抱えるダメさと格闘しながら、互いに成長していく姿が最高に愛おしい、大人による大人のための青春小説。
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