1973年、大阪の廃墟ビルで一人の質屋が殺された。<br />容疑者は次々と浮かぶが、事件は迷宮入りする。<br />被害者の息子・桐原亮司と「容疑者」の娘・西本雪穂――暗い目をした少年と、並外れて美しい少女は、その後、全く別の道を歩んでいく。<br />二人の周囲に見え隠れする、いくつもの恐るべき犯罪。<br />だが、証拠は何もない。<br />そして19年……。<br />伏線が幾重にも張り巡らされた緻密なストーリー。<br />壮大なスケールで描かれた、ミステリー史に燦然と輝く大人気作家の記念碑的傑作。<br />