札幌近郊の美容院のパートとして働く智代は、子どもたちが独立したいま、夫とふたりで暮らしている。<br />夫にも自分にも老いを感じ始めたある日、妹から母が認知症になったという電話が。<br />横暴な父から離れるため、実家とは長らく距離を置いてきたが、母の様子を見に行くことになり――。<br />別れの手前にある、かすかな光を描く長編小説。<br />