十三歳の夏。<br />深苗は招かれて沓沢家へやってきた。<br />でも、いとこの聖美は部屋に閉じこもったままだし、おじも仕事で不在。<br />広大な館は、死んだように沈んでいた。<br />「へんね。<br />まるで時間がとまってるみたい」。<br />そんなある日、館の裏庭で深苗は大地という少年に会った。<br />その昔、ここは美しいバラ園だった、というのだ。<br />いったい、どんな秘密が隠されてるの? 少女の心は騒ぐが……。<br />※イラストは収録されていません。<br />